お互い想い合っていても、繋がれないなんて。
一体それがどれ程に苦しいのか私には計り知れない。

けど、これは決して他人事ではない。

もし、これが自分だとしたら。


信じ続けていた恋を運命に否定されてしまったら、私はどうすればいいのだろう……。



「加代!?泣いてるの!? 」

すると、無意識のうちに涙が自然と溢れていたようで。
私の顔を見た途端、恵梨香は驚愕の眼差しを向けてきた。

「……ごめんなさい」

せっかく泣かないと決めていたのに、結局その意思はものの見事に崩れ落ちてしまい。

一度崩壊した涙腺はどうにも止めることができず、止めどなく涙がこぼれ落ちてくる。

「はい」

そんな私に笑顔で白いハンカチを差し出してくれた楓さん。

その優しさが余計心に沁みて、私は遠慮なく彼女からハンカチを受け取ると、暫く気が済むまでその場で泣き続けたのだった。