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無数のフラッシュが満ち溢れるスタジオの一角で、私と恵梨香は設置された簡易な椅子に腰掛けた。

やっぱり、撮影現場に一般人がいると目立つようで、先程から突き刺さるような視線を感じ、相変わらず落ち着かない。


「はあ~……、やばい。カイト素敵過ぎ。撮影現場見れるって、あたし明日死ぬのかな」

しかし、周りを気にする私とは裏腹に、終始骨抜き状態で海斗さんに熱い視線を送り続ける恵梨香。

どうやら無意識に声を発しているのか。

先程から独り言が連発していて、もう返事をするのは止めようと思い、私も視線を海斗さんの方に戻す。


今回は何人かの男性モデルと交代で撮影をしていて、スタジオ内はあの時よりも更に人で賑わっていた。

その中でも、やっぱり海斗さんの放つオーラは他のどのモデルよりも逸脱していて。


改めて、人気モデルとしての存在感を見せつけられ、気付けば私も海斗さんに目を奪われていた。