お泊まりをした日、恵梨香と海斗さんは連絡先を交換したらしく、今でもたまにやり取りをしているとは聞いていたけど。

まさか、もうそこまで踏み込んだ話をしていたとは。

私なんて怖くて未だ聞けていないのに、やはりそこはメンタルの差なのだろうと。
改めて自分の意気地の無さを身に染みて感じる。


その時、テーブル脇に置いてあった私のスマホが甲高い着信音と共に振動し始め、即座に通話ボタンを押す。

「もしもし。……あ、はい。分かりました!今からそっち向かいますね」

そして、直ぐに通話を終了させると、食い入るようにこちらを見つめてくる恵梨香の方に視線を戻す。

「海斗さん今到着したって。それじゃあ、行きますか」

それから、満面の笑みを向けると、私は椅子から立ち上がり、硬直する恵梨香の腕を軽く引っ張った。