とりあえず、恵梨香にも事情を全て話し終えると、眉間に皺を寄せながら、私に負けないくらいの特大の溜息を吐いた。

「全く、くだらないわ。後はその話が徐々に広まっていくのを待つしかないわね」

「だよね。それがいつになることやら……」


まさか、俊君がそれ程までの有名人だったなんて全然知らなかった。

これまでクラスの隅でひっそりと過ごしてたのに、自分が噂の的になってしまうとは。


けど、こうなっては仕方がない。

ここは恵梨香の言う通り、ほとぼりが冷めるまでじっと耐えるしかないのだろうけど、それまでの間は憂鬱でしかない。


そういえば、流れている噂は付き合っている止まりなので、岡田君は私達のことを黙ってくれているということだろうか。


まあ、彼は人のことを勝手に喋るタイプではないので、その心配は全然していないけど……。