それよりも、好奇心やら嫉妬心やらが入り乱れるこの状況を何とかするべく、私はこの誤解をどう解くか思考をフル回転させる。


それから、弁解することかれこれ十数分。


悩んだ結果、俊君は親戚の知り合いということにして話を落ち着かせた。


同居しているなんて一切口には出来ないけど、嘘は言っていないので堂々としていたら、女子達はあっさりと納得してくれたのだ。


ようやく熱りが冷め、ほっとするのも束の間。

今度は廊下を歩けば他のクラスの子や、後輩、先輩達までもが私に視線を向けてきて。

結局全ての人に弁解が出来る訳もなく、私は止めどなく泳ぎ続ける噂に掻き回され、一気に一日の気力を奪われてしまったのだった。

そして、その噂は当然情報通である恵梨香の耳にも届き、今に至る。