母親は大手IT会社の正社員で、バリバリのキャリアウーマン。

生活も結構余裕があるから、稼ぎはおそらくいい方なんだと思う。

しかし、帰りは毎日九時、十時と遅い為、家事全般はほとんど私が担っている。


それでも、身を粉にして私を育て上げようとする母親には感謝の気持ちしかなく。
今日も私は帰路の途中にあるスーパーで夕飯の買い出しを終え、家の玄関を開けようと鍵を探している時だった。


ふと何気なくマンションの入口前に広がる駐車場へ視線を下すと、ある違和感を覚えた。


それは普段この時間帯には絶対に停められていない筈の車がそこにあること。