「もしかして岡田に告りに来た子?」

これまで面白おかしそうに私達を見ていたバスケ部員の一人に横から茶々を入れられ、思わず肩が大きく震える。

「あいつ知っての通りバスケの事しか頭にないから、今はやめといた方がいいと思うよ」

「ていうか、ここ最近多くね?今月入ってから三人目なんだけど」

そして、完全に誤解されたまま話が勝手に進められ、切り出すタイミングを失ってしまった。


「そもそも、まだ部活中なのに本当いい迷惑だから。練習の邪魔になるからとっとと消えてくれない?」

「おい、紺野。流石にそれは言い過ぎだって」

そんな私に構わず、とても冷めた口調で吐き捨てるように言う紺野さんに、フォローを入れつつも、何処か楽しげに私を眺めるバスケ部員達。

まるで見せ物にされているような気分に陥ってきた私は、段々と悔しくなってきて握っていた拳に力が入る。