すると、試合終了を告げる審判の甲高い笛の音がグランド中に三回鳴り響き、時を刻んでいたタイマーが、ピタリと止まる。

同時に変化した得点ボード。
それを合図に、星南高チームの割れんばかりの雄叫びがグランド中に響き渡る。


「よっしゃあーっ!勝ったーっ!」

フィールド上が湧き上がる中、ゴールネットに埋もれていたサッカーボールが、呆然と立ち尽くすゴールキーパーの足元で静かに転がっていく。


星南高の勝利に観客席も最骨頂に盛り上がり、これまで以上の黄色い歓声が飛び交う中、崩れ落ちる我が校チーム。

端から見れば何とも残酷な光景だとは思うけど、構わず私も心の中で勝利を称えていると、感極まり段々と視界が滲み出してくる。


どうしよう。

泣けてきちゃう。


周囲では飛び跳ねて喜んでいるのに、一人この場で号泣なんて何とも恥ずかしい状況に、私はいてもたっても居られずその場を飛び出してしまった。