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___放課後。


私達はぎゅうぎゅうに詰め込まれた重たい生地を持ちながら、よろよろと学校へ戻る。

流石クラス分だけあって、購入した生地の量は膨大で、人手はあるけど袋一つ一つの重量感が半端なく、手がちぎれそうになる。

やっぱり、今日だけでも男手は必要だったかなと。クラスメート達とそんな会話をしながら、私達は何とか学校の玄関口まで辿り着いた。

ひとまず、憎らしい程重たい布地を床に置いて、流れる汗を拭う。

それから、少しだけ休憩しようと私達は誰もいない昇降口に座り込み、暫くお喋りを続けた。


帰りがけに見掛けた話題のアイス屋さんの話や、クラスの男子で執事の格好をさせたら誰が一番格好いいかとか。

後半は全く興味がなかったけど、こうしてクラスの子と会話をするのがとても久しぶりで、内容はともかくとして、この一時がとても充実していて楽しかった。


そんな和やかな雰囲気の中、突如グラウンドの方から聞こえて来た大歓声。

一体何事かとクラスの子達が騒めき始めたところで、私はふとあることに気付いた。