流石、学校一モテる岡田君。

一体これがどれ程の頻度であるのかは知らないけど、この様子を見る限りだと相当なのかもしれない。


そして、噂通り彼はそんな数々の告白をこうして簡単に交わしてしまうのだろう。

もしかしたら、私もいつか岡田君に告白をしたら、あの手紙のように握りつぶされてしまうのだろうか。

そう思うと怖くなり、やはり正直になるのはまだ時期早々な気がしてならない。

そんな中、今なら岡田君の恋愛事情を聞けるチャンスなのではと気付いた途端。
これまで落ち着いていた鼓動が急激に早まり、変な汗が流れ始める。

おそらく、聞くなら今しかない気がして。
恐怖心と闘いながらも、私は意を決して密かに拳を強く握りしめた。


「あ、あの、岡田君はその……。つ、付き合ってる人とかいないの?」


出来ればもう少し自然体で聞きたかったけど、緊張に支配された心は当然平常心なんて保つことは出来ず。

予想していた通り挙動不審になってしまった自分の行動に、我ながら呆れてしまう。

「そんなのいるわけないだろ。今はそういうの興味ないから」

けど、岡田君は特に気にすることなく、これまた噂通りの返答が即座にきて、私は内心ほっと胸を撫で下ろした。