「……はあ」

すると、一通り読み終えたのか。

呆然とする私の横で深い溜息を一つ吐くと、あろうことか、岡田君は手に持っていた手紙をくしゃりと丸めてそのままポケットに突っ込んだ。

「あ、あの。それってラブレターだよね？」

「そうだけど？」

“だから何？”

……といった表情で、全く気にも留めずに、あっさりと私の指摘を交わしてくる岡田君。

「返事しなくていいの？」

おそらく、そのままゴミ箱行きになることが容易に想像出来るラブレターの悲しい結末に、私は余計なお世話だと思いつつも聞かずにはいられなかった。

「毎度の事だから、もう構うのは止めた。何も反応がなければ向こうも勝手に諦めるだろ」

そう言うと、心底うんざりした表情で知らされた衝撃的な事実に、私は返す言葉がなく、再び呆然としてしまう。