__遠い昔の話。


岡田君と私はご近所で、幼稚園も一緒だった。

親同士も仲が良かったし、よくお互いの家にも遊びに行っていた。

しかし小学校ニ年生に上がった時、彼は遠くに引っ越してしまったのだ。

始めのうちは文通をしてたけど、いつしか自然消滅。


私の記憶から岡田君の存在は希薄になり、過去の人になりつつあった頃、私達は偶然にも高校で再会したのだ。


ただ、まだお互い顔を合わせていないので、果たして“再会”と言えるのだろうか。

小さい時の岡田君は無邪気によく笑っていたけど、今は大分雰囲気が変わったので、入学当初は全然気づかなかった。


けど、その頃から彼の噂は広まっていて。
それから直ぐに岡田君の存在に気付き、一段と格好良くなっていた姿を目にした瞬間、私は一瞬にして心を奪われてしまった。

私も昔に比べてかなり雰囲気が変わってしまったから、おそらく向こうも気付いてないはず……。