「加代、少し変わったよね。なんか前向きになってきたって言うか」

「そ、そうかな?」

すると、唐突に言われた恵梨香の一言が更に後押しとなり、嬉しいやら気恥ずかしいやらで視線を下に落とす。

「始めに知らない男の人と同居するって聞いた時はかなり心配したけど……今の加代を見たらちょっと安心した」

そんな私のほっぺを悪戯に軽く摘むと、やんわりと優しく微笑んでくれた恵梨香の言葉が、心の中にとても温かく沈んできて。

大事に想われていることがよく伝わり、私も釣られて笑顔になる。



“私は一人じゃない”

恵梨香は勿論だけど、今では海斗さんがいて、俊君がいて。

気付けば沢山の光に囲まれて、私を照らし、力を与えてくれる。

それがどれ程に心強くて、恵まれているのか。

改めてそう実感しながら、気付けば私達は日付が変わる時刻までひたすら喋り続けていたのだった。