◇◇◇



夕食が終わり、お風呂も済ませた私達は、そろそろ寝床につこうと自室のベッドに肩を並べる。

私のベットは伯母さんの計らいでセミダブルを使わせてもらっているので、余裕とまではいかないけど、二人で寝るには十分だった。

「ああ、もう今日一日幸せ過ぎた。ご飯は美味しいし、生カイトをずっと拝んでいられるし。これが毎日続いたら、私きっと幸福死する」  

「ねえ、それ意味違くない?」

隣で長い髪を溶かしながら、夢心地で遠くを見つめる恵梨香に、私は容赦なくツッコミを入れる。

「加代は良く平然としてるね。あのサッカーバカは置いといて、あんな超絶イケメンと一つ屋根の下で暮らすって、あたしならもう息が詰まって死んじゃうから」


……結局死ぬんですかと。

心の中で二度目のツッコミを入れながら。
かくいう自分も始めの頃は、部屋に出ることさえも躊躇っていた時があったことを思い出す。

今では自然体で接することが出来るようになったし、二人の並外れたオーラにも徐々に慣れてきた。

こうして、ここまで早く馴染めたのも、全てはあの人柄だからかなと。

つくづく同居人が海斗さんと俊君で良かったと思うと、つい口元が緩んでしまう。