その視線の先には学校一の王子様と謳われた、女子の中で絶大な支持を誇る、あの岡田佑樹君の姿があった。


私は全身が一気に熱を帯びていくのを感じると、そそくさと物陰に身を潜める。


部活に行く途中なのか、バッシュの入った袋を引っ提げて数人の友人達と喋りながら体育館へと向かって行く岡田君。



暫くその場に佇み、声が聞こえなくなったのを確認すると、恐る恐る私は身を乗り出す。


そんな我ながら情けない行動に、思わずため息が漏れてしまった。