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家に到着した私達は、自転車を停める為にガレージへと入る。   

見ると、海斗さんの車が停まっていたので、私は少し足早に玄関へと向かった。


「ただいま」

いつもなら明るい伯母さんの声が直ぐ返ってくるはずなのに、今日は幾ら経っても返事がない。

「なんだ、おばさん出掛けてるのか。腹減ってたんだけどな」

後ろで俊君は残念そうに溜息をはくと、靴を脱いでそのまま二階の自室へと向かって行った。

私は海斗さんを探しに一先ずリビングへ向かうと、丁度ソファーの前に座っている後ろ姿を視界に捉え、側まで近寄る。


「海斗さん」

それから声を掛けてみるも全くの無反応で。
不思議に思い覗いてみると、海斗さんは珍しく静かな寝息をたててぐっすり眠っていた。


目の前にあるガラス製のテーブルに目を向けると、大学の教材と思われる参考書とノートが広げられて、私は眠っている海斗さんの隣に座り、パラパラと参考書を捲ってみた。


何やら被服について色々書かれているけど、内容はさっぱり分からない。

開かれたノートには丁寧な字でびっしり埋まっていて、所々に赤ペンで強調されたりと、綺麗にまとめられていた。