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「……ああ、疲れた」


学校を出てから家までの道中。

体に募る疲労感に耐えきれず、私は本日二度目の深い溜息と共に、独り言が漏れ出る。

まさか、あの短時間でもうそこまで話が広がっていたとは。



屋上から戻った後、私はクラスの女子達から物凄い質問攻めを食らった。

確かに、女の子を振り続けることで有名な岡田君が私を連れ出すなんて、事情を知らない人達から見れば信じられない光景だと思う。

だから、包み隠さず幼馴染だということを説明したら、何とかその場は収まったけど。


あれだけでこんな散々な目に遭ったというのに、いつも隣にいる紺野さんは一体どれだけ強いのか。

改めて彼女の精神力に恐れを感じながら、私は思いっきり項垂れる。