「それで、あのカイトにコーデされて、その素敵な髪型にしてもらったんでしょ?それ、ファンからしたら、もう卒倒ものだから!」
そして、最後にはかなりの気迫で詰め寄られ、ほんの少しだけ恐怖を感じてしまった。
すると、不意に恵梨香の両手が伸びてきて、私の顔を挟み込み、強引に目線を合わせてきた。
「ど、どうしたの?」
私は顔を挟まれた状態のまま、きょとんとした目で見返す。
すると、険しい顔付きから一変して、花がほころぶように笑う恵梨香。
「兎に角、めちゃくちゃ素敵だよ加代。その髪型も凄くよく似合ってるから」
そして、その視線ごと包み込むような温かい言葉が、心にじんと沁みてきて。
私もつられて笑みがこぼれ落ちた。