「ええっ!?そ、それ、マジで言ってるのっ!?」
上履きに履き替え、教室までに行く道中。恵梨香の大絶叫が通路中に響き渡り、周りの生徒の驚いた視線が一気に集中する。
私は集まる視線に冷や汗を垂らしながら、紺野さんに会ったこと。
それがきっかけで、海斗さんにイメチェンしてもらったこと。
そもそも、海斗さんはモデルだったことなど、全てを打ち明けた。
……ただ、岡田君と会ったことだけを除いては。
「まさかあのカイトが同居人だったなんて……。そんなことが現実にあるの?……ね、ねえ本当に冗談じゃないよね?」
暫く絶句した後に、恵梨香は未だ信じられない様子でもう一度私の肩を掴む。
心なしか、その手が若干震えているように見えた。
「う、うん。てか、恵梨香も海斗さんのこと知ってたんだ。やっぱり海斗さんってモデル界では有名なの?」
あまり芸能人に興味を持たない恵梨香でさえも知っているなんて、それ程の知名度なのかと。私も驚きを隠せなかった。