「はい?恵梨香様今何をおっしゃったのでしょうか」


いまいち意図が分からない私は、頭上に無数のクエスチョンマークを浮かび上がらせる。


「だから、加代をイメチェンさせて、岡田に近づこうって……もがっ」


何やら話があらぬ方向に進みそうになる手前。
私はそれを阻止すべく、咄嗟に恵梨香の口を勢いよく両手で塞ぐ。

そして、冷や汗を垂らしながら周囲に聞かれてないか確認する為、思いっきり左右に首を振った。


「恵梨香、声大きすぎっ!他の子に聞かれると絶対裏で弄られるから!」


そして、半ば泣きべそ状態になりながら小声で訴える。


「あ~……ゴメン。でも真面目な話、加代は卑屈になりすぎだよ。岡田はともかく、スタイルが変われば気持ちだって変わるはずなんだから」


それから、いつになく真剣な眼差しを向ける恵梨香に、ごくりと唾を飲み込む。


それは嘘を言ってるわけではなく、もちろん冗談でもなさそうだ。