「さて、残すはメイクだね。向こうで海斗が君を待ってるよ」

それから、カットクロスを外し奥の部屋に行くよう促された瞬間、心臓がどくんと震え出す。


この姿を海斗さんは果たしてどう受け止めてくれるのか。

驚いてくれるのか。

喜んでくれるのか。

そもそも、ちゃんと期待通りの姿になっているのか。


期待と不安が入り交じり、少し複雑な心境になりながら私はゆっくり椅子から降りると、一先ず男性にお礼を告げて奥の部屋へと向かった。