私は未だにヒリヒリする背中をさすっていると、整っている綺麗な眉毛をへの字に曲げ、まるでドラマの刑事が“犯人はお前だ”っと言わんばかりに腕を垂直にして私を指差す恵梨香様。


「あんたねぇ、そおやってマイナス思考になり過ぎるから何も進まないんでしょっ!少しは自信持たなきゃダメ!」


艶やかなサラサラの髪を揺らしながら、胸を張って決め台詞を言う恵梨香の姿はとても勇ましい。



……なんて見とれている場合ではないけど。


すると何かを思い付いたように、恵梨香は突然指をならすと、今度は瞳をキラキラさせて満面の笑みで私に迫ってきた。


「よしっ、決めた!あたし加代をイメチェンさせてあげる!!」


突然何を言うかと思いきや。
突拍子もない宣言に私は眼鏡がずれ落ちた。