「その様子だと信じていないみたいだね。まあ、いいよ。そのうち分かるから」

「えっ!?ちょっ……、あのっ!」


固まる私にはお構い無しと。

突然腕を引っ張られ、鏡の前に設置された丸椅子へと座らされた私は、唖然としながら鏡越しに男性の顔を見る。


「とにかく、次は髪型だ。この様子だと暫く切ってないみたいだから、今日は俺が徹底的に変えてあげるよ」

すると、男性はにっこり微笑むと縛っていた私の髪ゴムに手をかけ、するりと外した。

束ねていたものがなくなり、まとまっていた髪はカーテンのように一気に広がる。

確かに、かれこれ一年以上はほったらかしにしていたので、伸び放題で形も崩れていて、みすぼらしさが際立つ。

そんな姿を露にし、私は恥ずかしくなって、つい鏡から目を背けてしまったけど、男性は気にする素振りを見せずカットクロスをかけ、早速作業に取り掛かった。