扉が閉まり、背後を振り向くとそこには自分の頭からつま先までハッキリと写し出す全身鏡があった。

久しぶりに全身姿を鏡で見て、自分のみすぼらしいさを改めて思い知らされる。


モデルさん達みたいに、足が長いわけでもない体型。

そして何とも冴えない地味顔と。
全くもって期待が持てない自分のワンピース姿を想像して、暫く私は鏡と睨めっこする。


……ダメだ。
いくら眺めたって、顔が変わるわけじゃないし、私は海人さんを信じると決めたんだから。

時間もないし、とりあえず早く着替えよう。


堪忍した私は小さく息を吐くと、着ていた服を脱ぎ始め、おもむろにワンピースのファスナーを下ろした。