これが本当に似合うのだろうか。
どう見ても豚に真珠な気がしてならない。
だけど、海斗さんが選んだのなら。
ずっと暗闇の中でもがいていた私を、変えると言ってくれた海斗さんなら。
差し伸ばしてくれたその手を、しっかりと掴みたい。
……だから……
「……私、着ます」
大きく息を吸い込み、一大決心をした私は恐る恐る渡されたワンピースを手にとった。
すると、男性はふと柔らかい笑顔になり、脇に設置された試着室の扉を開いてくれた。
「大丈夫、きっと似合うから自信持って」
そして後押しするように、ガッツポーズを見せ、試着室に私を優しく引き入れてくれたのだった。