海斗さんがいなくなって見知らぬ若い男性と二人だけになり、一気に緊張感が襲う。

そもそも、これから自分がどうなっていくのか想像も出来ないし、例え良い結果になったとしても、果たして自分があの撮影現場に立って良いものなのか未だ不安が拭いきれない。

けど、あの自信に満ちた海斗さんの表情を見たら、いつまでもウジウジしていることに申し訳なさを感じ、とりあえず信じてみることにした。


だから、どんな事でも受け入れる覚悟は出来たつもりではあるけど……。


「じゃあ、時間も限られてることだし、早速だけど先ずはこれに着替えてもらってもいい?」


そんな私の心境を悟ったように、長髪の男性は絶対なタイミングで衣装を取り出してきて、それを目にした途端、思わずその場で固まってしまった。