“ブス”

“キモい”

薄暗い闇に包まれながら、先程紺野さんに言われた単語が何度も頭の中で繰り返される。

同時に掘り起こされる、思い出したくない昔の記憶。

今では面と向かってそんな事を言う人は居なくなったけど、ここへ来てまたあの言葉を聞かされるとは思いもしなかった。

忘れようとしていた古傷が再び疼き出し、あの時の痛みが蘇ってくる。



私は街灯下にあるベンチに座りながら、深く項垂れていた。

ここは自宅の近くにある小さな公園。

昔、よくここで岡田君と遊んでいた思い出の場所だ。

あれから年数は経っているので、遊具はかなり錆びれてきているけど、この光景は当時と何も変わらない。


こうして何かあれば、私はいつもこの公園に逃げ込んで思い出に浸る。

現実に目を背けて、過去の記憶ばかりにすがりついている。

こんなんじゃダメだと分かっているのに、いつも同じ事の繰り返し。