中では岡田君が一人コートで朝練をしていた。

ジャージ姿で額に汗を光らせながら、コート内をドリブルで一周した後、ゴール目掛けてボールを投げ入れる。

岡田君が投げたボールは綺麗な弧を描きながら、心地よい音で網をすり抜けていった。


バスケに関しては全くの無知だけど、きっと今のシュートは誰が見ても素晴らしいものだったと思う。

私は岡田君の可憐なシュートに心を奪われ、暫くその場に佇んでしまった。



本当に欠点なんて見当たらないくらい格好いい岡田君。

普段でもため息が出る程なのに、バスケに打ち込む時の姿は益々輝いて見えて私の視界にはもう彼しか映らない。