不思議に思ってアリスは尋ねる。

『地面の温度は気温よりも高いから、水が凍るのを防ぐことができるのよ』
『なるほど!』

 凄い技術もあるものだと、アリスは驚いたのだった──。



(水路を凍らないように、地下に作る……。そうよ、これよ!)

 ケイトは寒さの厳しい国──ローレン国の出身で、彼女の祖国はここシスティス国と同様、冬は氷と雪に閉ざされる。ローレン国でうまく機能しているのなら、システィス国でだって同じ技術が適用できるはずだ。

(早速、陛下に相談してみましょう)

 冬は嫌でもやって来る。工事の期間を考えると、着手は早いほうがいい。