「アーヴィ国の姫君は可憐な見た目によらず、随分と大胆なのだな」

 頭上から笑いを含んだ低い声がして、アリスはハッとした。

(抱き枕が喋った?)

 驚いてがばっと起き上がると、そこは見慣れない部屋だった。

(え? わたくし……)

 そして、アリスの横にはひとりの男が横たわっていた。銀髪に碧眼の、美しい男だ。男のグレーのシルクガウンは上半身がはだけ、筋肉質な体がむき出しになっている。

「え? え? きゃー!」

 室内にアリスの悲鳴が響き渡った。