「お前など、さっさと殺しておけばよかった」
ヴィクターは怨嗟の念を込めて言い放ち、ウィルフリッドの美麗な顔に向かって唾を吐きかける。ウィルフリッドは眉間に深い皴を寄せた。
「連れていけ」
短い命令で、ヴィクターは裁判所へと連行される。
ヴィクターの罪名は、国王暗殺、王太子暗殺、及び国王夫妻暗殺未遂だ。どう転んでも死罪は免れない。
「陛下」
文官が布を差し出したので、それで頬を拭う。くしゃっと丸めた布を床に放り投げたウィルフリッドは、裁判所へと歩き出した。
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