あった。



私は絆創膏片手に男の人に声を掛けた。



そして傷口に絆創膏をペタッと貼った。


男の人はいきなりの事で驚いた顔をしていた。



「おーい!!美咲!!」


人だかりの中から知里がこちらに向かってきた。


「ハァハァ やっと人だかりから出れた。美咲大丈夫だった??」


「うん。この人が助けてくれて・・・?!」



改めて良く見ると男の人はとても顔が整っていた。




キンコンカンコン



遠くの方からチャイムが聞こえてきた。


「あ!美咲!!時間!!」


そう言いながら知里は私の手を取りその場から動き出した。


「あ。おい、"これ"」



男の人が放った声は美咲には届かなかった。