"クローバー"



私と知里が良く行く行きつけのカフェ。



オーナーの由紀子さんが作るケーキが美味しくて。




あー。考えただけで食べたくなって来た。




「行こ!行こ!ケーキ食べたい!!」





「なら、行こっかぁ。」




私たちは教室を出た。




しばらく校舎内を歩いて居ると




ギャー




ドス




出会い頭に誰かとぶつかった。




その衝撃で尻餅をついてしまったのだ。





「大丈夫?!ごめんね。よそ見して・・・・・・・・・エッ」




「ちょっと美咲??大丈夫??」




「・・ぁん。大丈夫。」




はっ!ぶつかった相手の人。





・・・・・あれ??




人とぶつかったはずなのに辺りには誰も居なかった。




おかしいなぁ。声かけてくれた気がしたんだけど。






「ねぇ知里。私誰かとぶつかった気がしたんだけど?」




「はぁ??なんの事??ドッスて音がして振り向いたけど近くには誰も・・・・・・・・あ!!宮下先輩なら美咲と反対方に歩いてくの見たよ?」


宮下??



誰だ??



あ。思い出した。




前にみのりちゃんが言ってた王子だ。



「それより早く行こ!」





私達は歩いて学校近くにある"クローバー"に向かった。