九月。
二学期の始業式が終わって、翌日には早速生徒会の集まりがあった。

放課後。
集会中はなんでもない顔をして座っていた佐藤は、解散の号令がかかっても一人、また一人と役員達が帰っていくのをただジッと見つめていた。

最後に不思議そうな表情をして佐藤を見た副会長が俺に手を振って生徒会室を出ていくのを待ってから、佐藤は俺のほうへやって来た。

たぶん、怒っている表情だった。

「どうして無視するんですか」

「忙しかったから」

「見てますよね、メッセージ」

「うん。目は通したよ」

「だったらどうして…!」

「だって俺に関係ないことだと思ったから」

「関係ない…?だって話したじゃないですか、彼のこと!」

「聞いたよ。でも佐藤さんと夜乃さんの幼馴染だってだけで俺にとっては知人でもなんでもないからさ」

「興味あるって…」

「一瞬でも興味持ったら生き死にまで関わらなきゃいけないの?」

「…っ」

「ジョーダンだよ。ごめんね。言い方がちょっと乱暴過ぎたよね」

「とばりに関わることだから…朝之先輩はちょっとは気になってるって思っただけです…。すみませんでした」