会長席のスチールデスクの後ろに隠れるようにして、佐藤の小さい肩を抱いた。

カーテンを閉めて欲しいと懇願した佐藤の願いは聞かなかった。

不慣れなこの子が事後、どんな夢をみようと、どんな地獄を味わおうと俺には関係ない。
もう何もかも、どうなったってよかった。

紅潮した佐藤の頬にキスを落とす。
涙が滲む目尻にもキスを落とす。

「爪、立てちゃダメ。痛いでしょ」

必死に俺にしがみつく佐藤の爪が背中にキリキリと食い込む。
不快な痛みではない。
痕跡が残ったって俺の視界には映らない。

なのに俺が佐藤を抱いたという事実を、自分が残そうとしてしまっていることに、佐藤はまた心を疼かせた。

夜乃とばりも、こういう行為に耽る(ふけ)夜があるのだろうか。
夜とは似ても似つかない真っ昼間。
窓からの光に堂々と晒されている佐藤の幼い身体を見つめながら思った。

夜乃には不思議と朝のほうが似合う。
まだ陽が昇り切らない、ぼやけたような白い朝。
やわらかい霧のような光に晒される、滑るような白い肌を思った。

腕の中で少女が一際高い声を上げた。