「エンドロールまでちゃんと綺麗に踊ってよ」

「たす…たすけ………とばり…おねが………」

来栖はすでにピクリとも動かない。
お揃いの死を迎える佐藤は往生際が悪い。

その往生際の悪さこそが泥臭くて、
生に執着する人間らしくて、

薄気味悪い。

「あぁ、アマイ。伝え忘れてた。あのね、これだけは絶対に忘れないで。アマイ、きみは本当にいい子だったよ。俺だけの可愛いマリオネット。でも もう必要ないから。その糸、断ち切ってあげるね」

「ゃあーーーーッやだぁ…蜜!!!ゃ………」

「バイバイ」

佐藤の鮮血が俺の肌と服を真っ赤に染めた。
生きてる人間からの液体だと分かる、生臭さ。

「あーあ」

言葉とは裏腹に、夜乃の声は愉快そうだった。

「見て、とばり」

振り返って、汚れた俺自身をとばりに見せつける。

「すっごい。見たことのない赤ですね」

「ね、ほんとに。胸糞悪い」