「全然気づかない俺がおかしくてたまらなかった？」

「そんなんじゃないっ…！何かあるのなら助けたかった」

「あー…だからさぁ…お前はなんのつもりなんだって」

「私だって分からないの…蜜くんには…はっきりすぎるくらいに拒絶された！声すらも聴きたくないって…。それでも蜜くんを放っておいちゃいけないって。なんでかすごく思うの。怖いの。蜜くんが後戻りできなくなっちゃうことが…！」

「うるさいな。俺はお前のほうがよっぽど怖いよ」

「え…？」

「なんの執着？俺とお前は友達でもなんでもない」

「それでもいい。蜜くんに普通でいること、諦めて欲しくない」

「なにそれ。おもしろ」

「蜜くんのことを諦めたくないって思う人間がいることを知ってて欲しいの」

「あのさぁ」

「うん…」

「俺が殺したんだよ。あのおじさんは」

「え…」

「そうなるように仕向けたんだ。佐藤と一緒に。だからもう手遅れ。残念でした」

「………何か事情があったの？」

「しつこいね、きみ」