俺の家に着いて、佐藤は倒れるようにソファに沈み込んだ。

「疲れちゃった?」

「ごめんなさい…。人のおうちなのに」

「いいんだよ。アマイには気を遣わずにありのままでいて欲しいから」

「優しすぎます…」

「フツーでしょ。好きな人間に対してはさ」

「″人間″って」

クスクスと楽しそうに笑う佐藤の頭を撫でる。
日向ぼっこをする猫みたいに目を細めて、俺の腕に頬を擦り寄せた。

俺の膝に頭を乗せた佐藤にそっとキスをする。
髪の毛が頬に触れて、佐藤はちょっとくすぐったそうな目をした。

「ヤだった?」

「ヤです」

「えー」

「だって…」

「だって?」

「蜜のこと…知ってるの私だけがよかったって…どんどんわがままになっちゃうから…」