この写真を世間に晒されたとして、俺が殺人を犯している写真でもあるまいし。
一向に困りはしないけれど、夜乃と彼のみならず、俺までもが顔見知りだったと知れ渡るのはどうだろう。

学園、夜乃へのバッシングはこいつの言う通り、加速するだろう。

「記者として、こんなネタを手放すのは惜しいんじゃないんですか」

「本来なら、その通りですよ。ただ今回は好奇心です」

「好奇心?」

「このネタにきみが少しでも動揺を見せてくれるのなら、今後の参考になるなぁ、ってね」

「俺を脅かすメリットってなんですか?あなた方が追ってるのは夜乃とばりの真実ですよね」

「夜乃とばりが黒幕じゃないとしたら?姿を消した、実態のない夜乃とばりよりも目の前のきみのカリスマ性のほうがよっぽど僕には恐ろしい。ま、ただの興味本意ですよ」