「む、無理無理! こんなの滑れないよぉ!」

「大丈夫やって」



ウォータースライダーの滑る場所で、私は震えていた。

あまりにも高くて、普通の人なら無理だ。



「なんや獅子堂たち遅いなぁ。女にでも絡まれとるんちゃう?」

「嘘! いや、士綺くんに限ってそんなこと……」



そのとき、私の視界にあるものが写った。

ウォータースライダーの列の近くで、士綺くんたちがナンパ(?)されているのを。



「……許さない」

「椿月?」



遠くから睨んでいると、不意に肩を叩かれた。



「お姉ちゃん可愛いねー。一緒に滑らなーい?」

「え?」



振り返ると、まさにチャラそうな男の人二人がいた。

私も結蘭ちゃんも警戒する。

すると、男の人は笑い出した。