「はは……士綺くんが烈火のごとく怒るのが目に見える……」



本当にまずい……。

士綺くんにどれだけ怒られるか……。

考えだけで怖い……。



「まあ、とりあえずそれ着とけばええやん! 獅子堂やって可愛すぎで倒れるかもやん!」

「士綺くんが倒れるとは思えないけど……」



どうしようもなくて、とりあえず水着を着る。



「いや、これ絶対士綺くん怒るって……」

「もうええやーん! 獅子堂やてラッキースケベでええやろ」

「結蘭ちゃん!?」



ケラケラ笑う結蘭ちゃんが悪魔のように思えた。



「ま、天王寺たちもこれが狙いやったんやろ。玲音知らんけどな〜」

「意味がわかんない……」



それより、早く行かないとダメだよね……。



「士綺くんって、着替えるのとか諸々早いだろうしなぁ……」



準備とかも早いから、もう出てるに違いない。



「で、考えているうちに連絡来てんとちゃう?」

「え」



結蘭ちゃんに言われてスマホを見てみると、なんと士綺くんからメッセージが。



「『大丈夫か? 何かあったのか?』って……」



心配しすぎ……。

結蘭ちゃんもメールの文を見て、苦笑いをしていた。



「あちゃ〜、やってもうたなぁ。じゃ、行くしかないやん。ほら、行くで!」

「えっ、あっ、結蘭ちゃんっ!」



不安になりながらも、結蘭ちゃんの背中を追った。