『その目、気に入った。ついてこい、治療するぞ。このままじゃ死ぬ。……後ろの奴も乗せてやれ。大事な奴なんだろ』

『お前、何者……』



その男は、立ち上がって倉庫の扉に歩いていった。


その背中に、言葉を投げかけた。


すると、帰ってきた言葉は……。



『───獅子堂士綺。No.1暴走族を潰す予定だ』



この人こそ───獅子堂士綺だ。


士綺クンは、僕を助けてくれた。


笑顔一つなかった。


なのに、“俺”はこの人を信頼できると判断した。


だから、ついて行った───。



その後は、祐介をちゃんと埋葬した。


祐介の家族はもういなくて孤児院にいたから、僕は線香をあげることができた。


明るいところで血にまみれた祐介の姿を見た途端、涙が止まらなかった。



『ごめん、ごめん……ッ!』



そう、祐介の遺影を持って吹雪の中、祐介の墓の前で泣いた。