総長は優しかったから、逃げろと、そう言ってくれた。


だけどその彼───祐介(ゆうすけ)が残ると言い、僕もそれならと手を挙げた。



───でも、すぐ後悔した。



相手の暴走族のOBにヤクザがいて、卑怯な手段で戦ってきた。


そのせいで、一緒に戦っていた奴大半が死んだ。


拳銃、鉄パイプは当たり前、仲間を人質に取り、卑怯な方法でやってくる。


僕、弱かったからさ。


すぐやられた。


肩を拳銃でやられて、僕は目の前が真っ黒になった。


もう死ぬかと思った、そのとき。



『グァッ……!!』

『て、てめぇ……!!』



さっきまで優勢だった拳銃を持っていた奴が、吹き飛んだ。


何事かと目を開けると、目の前には祐介が立っていた。



『やっぱお前は弟だな〜。ほら、これで肩縛れ。あとは俺に任せろ。もうすぐ総長もこっち来る。生きて二人で帰るぞ』

『ゆ、う、すけ……』