綺麗な夜だった。



小さく基地のような木の下で、僕とそいつは目が合った。


今でも鮮明に覚えている。ガラスのような瞳、無しかない表情、漆黒の髪。


そいつは夜なのに、“たった一人”だった。


一度だけしか会わないと思い、全てをそいつにぶつけた。


そいつもまた同じような境遇で、家での居場所がないという。


僕らはその一瞬で、とても仲良くなった。


そして彼の勧めで、彼が入っていた当時のNo.2暴走族に入った。


一緒に武道の真似事なんかして遊んで、仲良くなった。



『憐夜強くなったな〜!! 俺にとったらまだまだ弟だけどな!』

『ふーん。僕は絶対勝つけどね!』



家での居場所なんかなくたって、優しい総長、仲間思いで熱い仲間、そして、大事な友人さえいればいいと思えてきた頃だった。



───事件が、起こったのは。



ある日、他の暴走族に喧嘩を売ったとして、その暴走族が襲ってきた。


僕はその頃下っ端だったから、最前線で戦った。