今日は、大切な僕の友人の月命日。

僕の大切な親友は、僕を庇って死んだ。



「僕って昔から疫病神みたい。僕の近くにいると不幸になるし、人は死ぬ」

「そんなこと……」



つーちゃんは多分、月命日の日に毎回落ち込んでいた僕に気づいてたんだろう。

涼クンとかには隠せてただろうけど、つーちゃんはそういうところ敏感だから。



「本当にそうなんだ。僕は士綺クンに命を救われた。自暴自棄になって、人としての一線を越えてしまおうとしたとき、なんでか助けられたんだよ」

「人としての、一線……?」



つーちゃんの目に、影が落ちた。



「そう、自暴自棄だ。そうなった経緯は、全部どうでもよくなったから。痛みなんて消えて、苦しみに苛まれただけ」

「そ、そんな言い方……」



つーちゃんは怯える子犬のように震えていた。

僕は怯えさせないために、頭を撫でた。



「でももうそんなこと思ってないよ。でも、僕にもそうやってるくだらない時期もあったんだよね」



そう自虐して笑うと、つーちゃんは立ち上がった。