実際、お風呂上がりの士綺くんはよく上半身裸でいるけど……。

なんか、意味が違う!



「椿月、俺も愛してる。絶対もう手放さない。何を言われても、もう離してやらねぇ」

「……だからそういうのは、プロポーズに取っててってば」



頬を膨らませると、士綺くんは笑った。

今日見た一番の笑顔だった。



「そうだな。結婚式はいつにするかな」

「まだプロポーズさえしてないのによう言う」

「だってどうせOKだろ。いろいろ準備しないとな」

「何それー。女の子にとったらプロポーズってロマンスの塊だよ? 楽しみにしとくからね」

「ああ、期待に応えなきゃな」



混浴も、いいかも。

士綺くんと歩むこれから、楽しみにしておくね。



「士綺くんの、優しい目線が好き」

「なんだ急に」

「ううん。言いたくなっただけ。あとね、そうだな……優しい声色が好き。私を束縛しちゃうところとか、可愛いところも大好き」

「可愛いは余計だろ」

「ふふっ、そうかなぁ? だって士綺くん可愛いしね。もちろんカッコイイところも大好き。……士綺くん、大変なときとか、辛いときは頼ってね。何も守るだけが婚約者じゃないもん」



そう言うと、士綺くんは優しい目で笑ってくれた。



「本当、強くなったな」

「強くしてくれたのは、士綺くんだよ」



私はそっと、士綺くんの肩の上で目を閉じた。



「───だーいすき」

「俺も」



この幸せが、続きますように。


【完】