「大好き。一緒にいれて、私は幸せ者。士綺くんと出会ってから、毎日が楽しくなった。ただ起きて学校行って帰って寝る……こんなくだらない生活だって、今では色づいて見える」

「……俺もだ。椿月と出会ったから、俺は生きてこられた。出会えてよかった」



その単語を聞いた瞬間、涙が出そうになった。



「……そういう感動的な言葉は、プロポーズに取って置いてよ」

「椿月から言い出したんだろ。それに……プロポーズのときはもっといいの考える」

「自分から言うとハードル上げちゃうよ?」

「椿月はどうせなんでも喜ぶんだろ」

「お見通しだね」



何気ない会話。

でもね、士綺くん。

私は士綺くんと再開してからの何気ない記憶は、全部脳裏に焼き付いてる。

好きな本の話だとか、心配してかけてくれる言葉とか、全部覚えてる。

夏祭りの屋台の射的で頑張ってぬいぐるみを取ってくれたことも、私を護ってくれたときのことも、全部……。



「忘れた日なんて、一度もないよ」

「……俺もだ」