「え、あの〜……士綺さん?」



なぜかギュッと手を掴んでくる士綺くん。



「えっと……何かあった?」



これまで一言も話さなかった士綺くん。

どこか具合でも悪いのかと思ったら……。



「マジで変な水着じゃねぇだろうな?」

「え」



どうやら、水着の心配をしているだけだった。



「んー……と、まあ、結蘭ちゃんが選んでくれたし……?」



結蘭ちゃんは後ろで親指でグッドをしていた。



「そいつだから心配なんだよ。椿月、騙されやすいだろ」

「ちょっと失礼じゃない!? 私、騙されやすくないもん」



そう言い合っていると、憐夜くんの手が伸びた。



「あーもう! 行くよ! この独占欲の塊男め! ついでに束縛! リア充滅べ〜!!」



憐夜くんは士綺くんを引きずって更衣室に入っていった。

苦笑いをこぼしていると、結蘭ちゃんが大笑いをし始めた。