「……よしよし」

「……椿月、子供じゃねぇよ」



なんとなく可愛くなって、頭を撫でてみると、士綺くんが不機嫌な顔になった。



「ふふっ、なんか拗ねてる士綺くん可愛くて」

「拗ねてねぇ」



そう言い合っていたら、いきなり全員立ち上がった。



「どうしたの? もう上がる?」



まだ上がりたくないな……と思いながら聞くと、憐夜くんがニッコリと笑った。



「二人とも、今日まだ二人きりになれてないでしょ? 露天風呂まだまだ広いし、二人で堪能しなよ〜」

「え……いいの?」

「もちろん。士綺クンが特に嫉妬エグいんで、収めてくれるとありがたいでーす」

「そうだね。じゃあご機嫌取りしとく。ありがとう」



気を使わてしまったことに罪悪感を抱きながらも、少し二人の時間を堪能しようと決めた。



「綺麗な夕日……」



私はそっと、士綺くんの肩に頭を預けた。