こんなところいつでもいくらでも連れて行ってもらってたら金銭感覚おかしくなっちゃう。



「ここは肩こりとか疲れに効くらしいよ〜。露天風呂でNo. 1と呼び声高いらしい」

「すごーい! 身体に染みるもん、最高!」

「おばあちゃんみたいなこと言っちゃって」



憐夜くんとそう話ていたとき、士綺くんが唐突な行動に出た。



「へっ!?」



突然、士綺くんが私の肩を抱いてきた。

私はパニックになり、顔が熱を持ったのがわかった。



「俺の椿月に近づくな。椿月、あっちの湯も気持ちいいぞ」

「えっ、でもみんなで同じの入ったほうが……」



そう言っても、士綺くんは私を抱き寄せる。



「なんだよ士綺クーン。ついに嫉妬心爆発? まったく、心の狭い男ですね〜」

「憐夜さん、あまり煽ってあげないでください」

「……」



士綺くん、どうして急にこんな?

嫉妬心を見せるのはよくあることだけど、ここまで強引なのは初めて。